今日はこころ園始まって以来、初めてのお作法タイムがありました。
年長さんたちは朝からそわそわ・・だって、きれいな着物を着たお茶の先生方がいらっしゃって
園の雰囲気がいつもとちょっと違うんです。。
きりっと青いお着物をお召しになった
遠州流茶道家元上席参与 寺西宗京先生は、
広島を代表する遠州流の指導者でいらっしゃいます。
今日はお弟子さんをはじめ、遠州流広島支部の皆さんが7名でお越しくださいました。
子どもたち以上に、先生たちの方がドキドキだったんです。
「畳の端は踏まないように歩くんだよ」「ちょこちょこ歩きで静かにね」と、声をかけ合いながら畳へ上がります。
和室での歩き方、正しい正座の仕方、お礼の仕方など、初めて聞くことがたくさんです。
お部屋の中には小さな床の間がしつらえてあって、お花や掛け軸も飾ってあります。
「今日の掛け軸は「佳日」、良い日という意味ですよ。狛犬さんが見えますか?
お花は『ホタルブクロ』。ホタルがこの中に入るのよ。ホタル、見たことありますか?
置き物は鮎船。あゆを釣るお船よ。」
寺西先生の優しいご説明に、子どもたちの心も和みます。
懐紙、茶入れ、茶杓、茶筅、茶巾・・・
初めて見るお茶道具の名前も教えていただきながら
しゃかしゃかとお茶をたてる「お点前(てまえ)」を拝見しました。
「お菓子をいただくときは、お隣の方に『おさきに』と言うんですよ」
今日のお菓子は六方焼と琥珀糖。琥珀糖は寺西先生の手づくりです。
お菓子の食べ方、茶碗の持ち方やお抹茶の飲み方なども、丁寧に教えていただきました。
手の上にお菓子の乗ったお懐紙を置くのが、難しいんです。神妙な顔で、ぱくり。
いよいよお抹茶をいただきます。
「どうぞお召し上がりください。両手で持ってね、そうそう」
「きれいな正座で座れています。とても良い姿勢ですね。」
「にがいよ~」
「そう?でも、お茶は体にとっても良いのよ。昔はお薬だったんですよ。」
「じゃあ、もうちょっと飲んでみる・・・」
「帰ったらお母さんにお茶碗は回して飲むんだよって教えてあげよう!」
「おばあちゃんの家の畳の端は踏まないように気を付けよう」と、さっそく会話が盛り上がる子どもたちでした。
遠州流のお辞儀は、畳に指先をちょんとつけるのです。べたっとつけません。
「結構なお点前でした」「美味しくいただきました」
お茶文化の基本は、相手を尊び、互いに敬い合うこと。
子どもたちにとっては、一人の立派なお客様として尊ばれる貴重な体験となりました。
日本の文化を身近に感じる体験を、これからも重ねていきたいと思いました。